グレース(氷の膜)

タラバガニのポーション

グレースとは、冷凍されたカニの表面を覆っている氷の膜のことです。カニを冷凍する際に、乾燥から守るためにグレース加工を行い、表面に氷の膜を作ります。解凍したときに出る水分のほとんどは、このグレースが溶けたものです。

カニに付いている「氷の膜」はどうして付いている?

カニ製品の表面に付いている「氷の膜」は、冷凍焼け(フリーズドライ現象)を防ぐために、意図的に付けられているものです。
この氷の膜を「グレース」と呼びますが、グレースがないと冷凍庫に入れていても少しずつ品質が落ちていってしまいます。劣化が進むと身はパサパサになり、味も変わって美味しくなくなってしまうのです(>_<)

たま~になのですが、お客様から「わざと氷を付けて重くしてるんじゃないの?」とご質問をいただくことがあるのですが、いえいえ!決して内容量を増やしているわけではありません。製造者はカニの品質を守るため、丁寧にグレースを付けているのです。

冷凍焼け(フリーズドライ現象)とは?

カニに限らず、冷凍品(食品)は冷凍庫に入れたままでも少しずつ劣化が始まります。
冷凍した状態であっても、徐々に水分が昇華して失われていくのです。その現象を冷凍焼け(フリーズドライ現象)と呼んでいます。

カニ製品にとって、この冷凍焼けは非常に厄介なもので、カニの美味しさの大部分は身に含まれている旨み成分が詰まった水分であるというにことが問題になります。

水分の抜けたカニ身は食感が落ちるだけだけではなく、カニ自体の味もしなくなります。パサパサになったカニ身ほど、使いようのないものはありません。それだけ、カニの水分は失われてはいけない大切な要素となります。

真空パックにすれば良いのでは?

カニは殻と身の間に僅かな隙間(空気)があるので、殻の上から真空パックにしても、完全な真空状態にはなりません。真空にならなければ劣化を防ぐことができないため冷凍焼けになってしまいます。ボイルしたカニ足などは、丸ごとビニールのフィルムで包んでいるシュリンク包装された製品がありますが、シュリンク包装自体には冷凍焼けを抑える効果はありません。

当店で販売しているボイル本タラバガニ脚(5L)などは、カニ足にグレース加工を施して、その上からシュリンク包装をして出荷しています。シュリンク包装する理由は、第一に取扱いが楽なこと。また、足折れなどを防ぐためにも役に立っています。

氷のコーティングでカニを守る!グレース加工で劣化を防ぐ!

鮮度はもとより、味わいや食感が失われないよう、カニには氷の膜を付けて外気を遮断する保存方法が施されいます。それがグレース加工です。水分の昇華は冷凍庫内の僅かな温度変化で著しく加速する特性があります。特に、開け閉めを頻繁にする家庭の冷凍庫では、それほど長期(保存)にならなくても、冷凍焼けをしてしまうケースがあります。

私たちが使用している業務用の冷凍庫(-50℃)であっても、完全に冷凍焼けを防ぐことはできません。目には見えなくても、少しずつ水分は昇華されているのです。それを防ぐ技術がグレース加工になります。

カニの本来の味わいを少しでも良い状態でお届けするため、グレース加工を施すことは重要な行程となります。解凍すると氷が溶けて多くの水分が出ますが、それは真空パックのフィルムを取るようなもの。カニ自体の美味しさはしっかりとキープされているので大丈夫です。

グレース加工はカニを守るための(氷の)コーティングです!
カニの種類や大きさ、製品化する部位によって加工の仕方(氷の厚さ)が変わってきますが、逆に全くグレースの付いていないカニには注意が必要です。

冷凍で保存されていても、徐々に劣化してしまうのは前述のとおりですが、あまりにも長期間凍結しているとグレース自体が昇華してしまうことがあります。極めて稀なケースではありますが、何年も在庫として保存しておいた商品が販売されることも皆無ではありません。カニの品質を見極めるためにも、グレースの有無は大切な目安となるのです。